枇杷の葉と私
余話
万葉いけばな研究家、庄司信州氏は『万葉の花』のあとがきに次のように語っておられます。
「本草図譜」を身近に置いてつらつら眺めているとなにがしか草木の霊力にとりつかれているのではないかと感じることがあり、これは描かれている草木の気をいただいているのではないかと思うことがたびたびあります。
それというのも、ひとつには私が「本草図譜」万葉植物との花合わせをしているからだろうと思われます。
万葉植物には強い弱いはあるものの、すべからく呪的なエネルギーが秘められていることにもよるようです。
私の枇杷に対する感覚、愛情もこのような類のものかもしれません。
私の内なる植物性が枇杷にも通じ、いつも困った時には手を差し伸べてくれるのだろうと感謝しています。
かしこ
平成二十八年九月十五日