中学校で印象に残っている先生 2
大学生 女
私の通っていた中学校はとてもあれていた。
私の一つ上の学年がよく問題を起こし、バイクでグラウンドを走り回ったりして、授業にならないこともあった。
先生への反抗も多く、「先生に対してBB弾を撃った」というのは、ニュースや新聞に取り上げられる程だった。
とにかくめちゃめちゃで、学校全体にいつも嫌な雰囲気がただよっていたことは、今でもはっきり覚えている。
そんな中学校生活で印象に残っているのは、中三のときの担任の先生だ。
当時、一つ上の先輩たちは卒業していたが、同じ学年にその弟がいたりして、中二のとき程ではないが、やはりおだやかといったものではなかった。
話は戻り、その担任の先生というのは、とても変わった人であった。
なよなよ、くねくねしていて、「愛」について語るのが好きな先生であった。
普通なら「キモイ!」と嫌われるだろうが、その先生は生徒たちを楽しませるために、よく冗談を言ったり、自分の失敗談を話してくれたり、何より子ども(生徒)をよく見ているため、好かれていた。
そして、怒るときは怒る、ふざけるときはふざける、まじめなときはまじめにと、メリハリがしっかりしていた。
ふざけていても、まじめな話のときはしっかりと受けとめてくれるので、頼りがいもあった。
ある日、トイレ掃除をしているとき、男子がやけにザワザワしていると思って聞いてみると、洋式トイレの中に大量のタバコの吸い殻が入れられているとのことだった。
おそらく授業をさぼった人たちが、トイレで時間をつぶしていたのだろう。
心ない行動に、私たちはやるせなさを感じた。
しかしそのとき、その状況を見た先生は、何とも言いようのない表情をし、素手のまま洋式トイレの中に手をつっこみ、吸い殻を取り上げはじめました。
あのときの先生の気持ちはどんなものだったのか?
今でもその後ろ姿は忘れられません。