遠い場所もつながっているよ

May Flowers always line your path and sunshine light your day.

子どもといじめ 4

大学生 女

 小六のクラスで起こったいじめは、家庭環境が背景にあると思う。

 家が貧しく、はっきり言ってとても不潔な子だったが、最初はいじめなどなかった。

 その子は小六で転校してきたのだが、もしかしたら前の学校でもいじめにあっていたのか、最初から学校に来ることができなかった。

 私たちは先生とも何度も話し合い、授業をやめてみんなでその子を迎えに行ったり、教室まで来れる方法を考えたりした。

 授業が学活にかわったり、迎えに行ってつぶれたりすることもたくさんあった。

 しかしその子はどうしても学校に来れない。

 門まで来てぐずり、その度にみんなで迎えに行ったが、説得して昇降口まで来ても、そこで嫌がって帰ろうと暴れる…。

 私たちは次第に、なんで授業をつぶしてまでこんなことをしなければならないんだろうと思うようになった。

 こっちが頑張っているのに、むこうはそのことをちっとも分かってくれないというような思いが、やがて、それならもう知らない、好きにすればいいじゃないかというふうに変わっていった。

 その子は家の事情からか不潔で、ひどいにおいがして、近寄るのに生理的嫌悪感を覚えるほどだったので、それを我慢して笑顔で、聞いてくれない相手に話をし続けるのはもうみんなつらかった。

 先生はずっと迎えに行ったり、とても頑張って解決しようとしていたけど、私たちはそれもだんだん、先生がかまってくれない、放っておかれている感を感じるようになって、先生のことも悪く言う人がでてきて、もうなんか最悪だった。

 その子は結局最後まで、満足に学校に来ることは少なかった。

 問題も解決しないまま、後味悪くひきずり、やがて関心が薄れていったという感じだった。

 今思うと、こちらの努力をおしつけるだけじゃなくて、もっとその子のことを理解してあげられればよかったのかもしれません。

 でも、あの生理的嫌悪感はどうしたってつらかった。

 自分があのとき先生の立場だったら、どうしたらよかったんだろう。

 いじめの形は様々で、どうしたらいいかなんて、そのときになってみないとわからない気がした。

kobitonokutu.hatenadiary.com