小学校で印象に残っている先生 22
大学生 女
小学校六年生のときの担任の先生が私の一番印象に残っている先生です。
ちょうど六年生のとき、私の妹の体の調子がよくなく、約三か月間入院したことがありました。
妹は歳が小さいこともあり、いつも母が付き添わなければならない状態でした。
また父も忙しく、父母私妹の四人で暮らしていた私は、妹の入院中三か月は母の知人(私の幼なじみでもありました)の家に預かってもらうことになりました。
その三か月は預けられた家族の方にとてもよくしていただき、今でもとても感謝しています。
しかしやはり自分の家族とは違うから、自分の意識していないところで心が疲れていたのでしょうか。
寂しさも心のどこかにあったと思います。
担任の先生も私が知人の家に預けられているのは知っていましたが、特別そのことについて話したりすることはありませんでした。
陰で見守っていてくれたのだと思います。
父や母と離れて生活することの大変さを自分自身でも考えさせられた時期でもありました。
つらくて、寂しくて、失敗もたくさんしてしまいました。
先生は私のそういういつもと少し違った点を見抜いていたようで、私が一人になったときなど、まるで私の友達のように、父のように、楽しく、そして真剣に話を聞いてくれました。
ある日、朝の会がはじまり、おわろうとするとき「○○さん、みんなの前まで出てきてください」と言いました。
私は何のことかわからず前に出ると、先生が「お誕生日おめでとう」と言って、クラスのみんなが一斉にハッピーバースデーを歌ってくれました。
みんなの前では恥ずかしくて涙をこらえていましたが、目が涙でいっぱいでした。
うれしくて、そして私はみんなに守られている、先生もみんなも私を思ってくれていると思った瞬間でした。
一人じゃないんだ!と強く感じさせられました。
私のことを気にしてくれ、そして配慮してくれる、そんな先生でした。
「誕生日おめでとう」なんて本当にちょっとしたことでしたが、そのときの私には何よりうれしく、何よりの心からのプレゼントでした。
つらさや寂しさも一瞬にして消えてしまいました。