小学校で印象に残っている先生 40
大学生 男
強烈な先生だった。
五・六年の頃。
強制的な道徳教育。
おかしな先生だった。
具体的なことは鮮明には覚えていない。
しかし、学校に行くのが怖かった。
よく怒る人だった。
また、よく生徒を侮辱する人だった。
クラスみんなの前で個人攻撃をするのだ。
あるとき「君は愚鈍だ」と授業中に言われた。
ちなみに、四十歳から五十歳あたりの女性だった。
逆に僕の親友は褒められまくった。
これもみんなの前で。
叱られる僕、褒められる親友。
クラスのみんなは当然親友の方に傾いた。
僕と親友の関係はそのあたりからおかしくなった。
生徒の人権を無視した言動。
クラスの大半はこの先生のことを殺したがっていた。
親友は要領がよかった。
逆に僕は素直すぎた。
この先生のおかげで親友とも距離をおくようになった。
とにかく二年間が苦痛だった。
先生には子どもがいなかった。
それで生徒の気持ちがわかりづらかったのだろう。
要領のよい親友を見本としてみんなを教育する意図だったと思うが、生徒にとってはそれはひいき以外の何ものでもない。
ひいきというのは教師にその意図がなくとも、生徒がそう感じてしまえばひいきになってしまうのだ。
それを百二十%理解している教師でないとだめだ。
小学生にも立派な人権はある。
自分の価値観を押し付けすぎたこの先生。
教師というものがここらあたりで嫌いになりはじめた。