遠い場所もつながっているよ

May Flowers always line your path and sunshine light your day.

枇杷の葉アルコール湿布液

[『枇杷の葉療法』のカテゴリーでは、若い頃から枇杷の葉とともに暮らしてきた七十歳の母の手紙を紹介します。

 母は、枇杷の葉温灸よりも簡単な、枇杷の葉アルコール漬け湿布液枇杷の葉エキス)を長年愛用しています。]

 みなさま、お元気でいらっしゃいますか。

 大学卒業以来何十年ぶりかの同窓会、私は「お手紙」という形で出席させていただくことになりました。

 兼好法師の言葉が胸に沁みる今日この頃、私の場合は「ひぐらし(一日中)」ではなく、「夜更けて」ですので、いっそう「あやしふこそものぐるほしけれ」ですが、とりあえず心にうつることをひとつずつ記してゆきたいと思い、まずはお勧めの枇杷のお話から。

 枇杷の葉の効用

 仏陀のお説教の中に「毒矢の譬喩」があります。

 論争好きの比丘に対してお説教されたものですが、要は毒矢を受けた人の命が助かる道は、論証、考察を待つことなく、直ちに毒矢を抜いて手当てする事であるとか。

 何と分かりやすく明快な教えでしょう。

 三人の子供たちが幼い時には、次々に流行病に罹り看病に明け暮れしたものです。

 その当時『私は二歳』の著者、松田道雄小児科医師の言葉に出会い、「一に看病二に看病、三、四が無くて五に薬」、これを呪文のように唱えては昼夜子供たちの枕元で氷水のタオルを絞ったものです。

 その後、枇杷の葉の効用を知り、その恩恵を受け、続ける事になりますが、その背景にはこうした下地があったからかも知れません。

 極めて個人的な、私と家族、友人の体験ばかりですが、私のようにお薬が苦手、検査が苦手な方に少しでもお役に立てればと願いペンを執っています。

 古来より枇杷は百薬の長とも称され、大切に扱われてきました。

 我が家の裏庭には、頂いた枇杷の種を蒔いて育てた枇杷の木がありました。

 自然環境豊かな中、何十年かの間積み重ねられた腐葉土に育てられた、生命があふれる濃い黒緑色の葉が光っていました。

 村のお年寄たちがよく葉を求めて来られました。葉を患部に当てて灸をするためだそうです。

 子供たちが中学生の頃、風邪や部活動の疲れで喉を痛め、発熱の時、枇杷の葉療法を思い出し、手当てしました。

 ただし、枇杷の葉温灸の方法では喉元に火は無理ですし、時間的にも制約がありすぎて実際的ではないと考えました。

 そこで、我流ですがより長時間効果を保ち、動きも制約されない、枇杷の葉を煎じてそのエキスを布にとり、湿布する方法を取り入れました。

 後にアルコール漬けを教わるまで、風邪で寝込むことがあると庭に出て枇杷の葉を摘み、煮出して…という作業が続けられました。

 発熱の場合、ほとんど一晩で完治し、翌日は元気に登校していました。

 当時は枇杷の葉手当てのすぐれた点「即効性」の素晴らしさをそれほど深く認識していませんでした。

 二十年ほど前、偶然にも松田医師を主治医とされる友人から枇杷の葉のアルコール漬けの方法を教わりました。

 そのおかげで枇杷の葉液の長期保存が可能になり、また、必要な時にすぐに使える便利さを味わい、よりいっそう様々な面に用途が広がってゆきます。

 枇杷の葉湿布のポイントは、症状があればすぐに手当てすることです。枇杷の葉にも枇杷の葉液にも効用があります。

 枇杷の葉アルコール漬け湿布液の作り方

 一年以上経た色の濃い枇杷の葉を選びます。

 ブラシでよく水洗いし、茶色になるまで干した後、ガラスビンに入れ、ホワイトリカー等で三か月以上漬けます。

 古ければ古いほど肌にやさしく重宝です。 

kobitonokutu.hatenadiary.com