子どもと恋 103
大学生 男
小学校六年生の頃に好きな人がいました。
同じ金管クラブに入っていました。
僕はそのときトランペット、彼女はトロンボーンを吹いていました。
コンクールが近付き、僕はソロパートをしなければならなくなりました。
しかしうまく吹けなくて、泣いたり悩んだり。
そんな僕をずっと励ましてくれました。
そして当日成功はしなかったのですが、演奏の始まる前、ちょうど構えるほんの前に向かい側にいた彼女がジェスチャーでガッツポーズ。
「がんばれよ」と伝えてくれました。
このことは八年経った今でも覚えています。
中学に入るときには告白することもできず、いつ告白しようかどう言おうかと中学校二年生の頃に考えていたら、彼女は別の人と付き合ってしまったのです。
それを聞いたとき相当ショックでした。
この気持ちを絶とうと思っても好きなまま、告白しても一緒にいることはできない、どうせ無理な恋を続けても実らない、過去のことはきれいに流して新たな恋をしよう。
しかし彼女のことは忘れなかった。
もう気持ちを言うしかない。
そこで彼氏の了承を得て、気持ちを伝えました。
今考えたらよくあんなことが出来たなとつくづく思います。
この恋が今まで生きてきた中で一番の純愛だった気がします。