遠い場所もつながっているよ

May Flowers always line your path and sunshine light your day.

小学校で印象に残っている先生 1

大学生 女

 私は五年生のときに体験した忘れられない出来事があります。

 その事件は体育のマラソンの授業で実際に本番のコースを走るためにみんなで移動しているときに、一緒に歩いていた男の子のジャンパーのフードが取りはずし可能で「見せて見せてー」というふうに私がフードを手にしたことからはじまりました。

 私はそのフードをクラスで一番いたずらっ子の男の子に「これ○○君のフードなんやけど、見てみー」と言って渡してしまいました。

 そのとき私たちは橋の上を歩いていたところで、そのいたずらっ子の男の子は「橋の上から飛ばそっか」と言って笑いました。

 私も冗談だと思って一緒に笑っていたら本当にその子が手を離してしまい、風の強い日だったのでフードはものすごい勢いで川に落ちていきました。

 私はびっくりして何も言うことができずに、泣きそうになったけど必死にこらえてフードの持ち主の子に苦笑いで謝りました。

 私は自分のせいでこうなってしまったんだと自分を責めたり、あの子が手を離したから悪いんだと友達のせいにする汚い気持ちでいっぱいになったり、フードの持ち主の子に嫌われたり、何より先生や親に知られて怒られるのがすごく怖くて他のことは何も考えられませんでした。

 けどフードの持ち主の子は「あいつに渡したらあかんやん、もぉー」と冗談っぽく言った後、笑っていました。

 私はそれですごく救われた気がします。

 と同時に友達がフードを奪った私に笑顔でいてくれることが、あのときすごく心にズキズキときて、本当に悪いことをしてしまったんだと気付きました。

 私は普段いたずらをすることもほとんどなかったので先生に怒られたことがあまりなくて、先生にそのことが知られたとき、怖くて怖くてフードを取りに川に入ろうと真剣に考えました。

 でも先生は「○○君にちゃんと謝った?」と言った後「もうしたらあかんよ」と言って、私といたずらっ子の男の子に笑顔で話してくれました。

 その後、私といたずらっ子の男の子はフードの持ち主の男の子にごめんなさいの手紙を書かされました。

 言葉ではちゃんと謝れなかったけど、手紙の中では素直になれて少し気持ちも楽になりました。

 家に帰ってからお母さんに今日あったことを話さなければいけないと思いつつも怖くて話すことができずにいると、先生から電話がかかってきてバレてしまいました。

 お母さんは「何やっとんのアンター」と言った後、笑いました。

 私はその日のことを全部話しました。

 次の日、学校に行って「昨日先生から電話がかかってくるまでお母さんに言えやんだ」と言うと、先生はニヤッと笑ったままでした。

 その後「いたずらっ子の男の子は家に帰ってすぐお母さんに言ったんやに」と言われて、私は自分がすごく恥ずかしくなりました。

 周りの人があたたかく接してくれた分、私は自分のずるさや汚い気持ちにも気付けて、すごく大事なことに気付けました。

 あの体験は一生忘れません。 

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