遠い場所もつながっているよ

May Flowers always line your path and sunshine light your day.

子どもと恋 98

大学生 男

 いつのことだったかイマイチ思い出せませんが、保育所の頃お手紙を友達に渡すという遊びがあったのですが、私のところにはいつも来なくて、かなり自分に孤独を感じていました。

 でもある日私に手紙をくれた女の子がいて、文面には「いままでてがみをあげられなくてごめんれ(ねの間違い)」とあって、私はうれしくてうれしくて、たぶんあれが恋だったのだと思います。

 でもそれは結構あっさりしたものでした。

 本当に本気で人を好きになったのは中学校の頃でした。

 その子は見た目にもかわいらしい子でしたが、おっとりしてて、周りの調子をくるわせるくらい人に気を遣う子でした。

 親友が同じ子のことが好きで、ずっと黙っていましたが、あれほど強烈な恋というのもこれからないと思っています。

 というのも高校進学の頃になり、私はてっきりその子も同じ高校に行くのだと思っていましたが、なんと遥か遠い学校に行ってしまったのです。

 私はあれ以来その子に会っていませんし、行方も知りません(ただ地元に住んではいるはずです)。

 彼女がいなくなってから一年くらい経つと、夜な夜なその子が夢に出てくるようになりました。

 「彼女に無視されたり」「そこにいるのに声がかけられない」みたいな夢が何度も何度も一年半ほど続き、そういう朝はいつも苦しくて仕方ありませんでした。

 一番ひどいときには生きているのがつらくなって、死にたくなったこともあります。

 「その子と楽しく話をした」夢でしたが、起きると夢だとわかってショックだったのです。

 あれから一年くらい経ちました。

 今でもたまにその子は私の夢のなかに出てきますが、そんなに苦しくもありません。

 よく考えていることが夢に出ると言いますが、私はその子の夢を見たいと願ったことはありません。

 今でもそのメカニズムは謎のままです。

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